歯科開業医になった経緯①
歯科医となり研修医を終えた時身の振り方を考えた、ほとんどの人間は母校の院生や専攻生(学位は取れないが臨床を学べる)となっていった。
自分は歯科麻酔の分野のオーベンが優しくて楽しかったこともあり研修医の時から麻酔科の外来にちょいちょい顔を出していた。
医局にどんどん知り合いができれば行きやすいし色々と仕事も教えてもらえるからなんか他の研修医連中よりも一歩リードしてる感で優越感に浸っていたのを覚えてる。若いなぁ
しかし自分は院生にはならなかった。
院生は試験があり、うちの出身なら何も書かなくても1発合格(ぶっちゃけ院試なんて通過儀礼に過ぎない)だから出願すれば受かる
しかしそうしなかった
理由はその数ヶ月前に遡る、外病院で知り合った大先輩のI先生という方がいた。
某私立医学部で麻酔科の准教授されてると聞いた時スゲー准教授!しかも医学部で!
と感動したのを覚えている。
「I先生は今度うちの歯科麻酔科の教授選に出るんだよ」
と先輩に言われた。
すげー、この人教授になるんかい!と思い憧れの目で眺めていた。
一旦その情報が耳に入るとその先生の見方が変わった。物腰柔らかく、益々憧れを抱いた。
母校の後輩でもある自分に色々な話をしてくれた。
「最近うちの大学どうなの?先生は今後どうするの?」
とかよくお話ししたのを覚えている。
「はい、自分も全身管理を学びたく歯科麻酔に行こうかなと、、、あ、矯正科も考えてますが、、、」
などと答えていた。
そんなこんなでちょうど研修医を終える頃教授選が行われた。
結果
I先生はなれなかった、、、研究実績や医学部の麻酔科で准教授やってるという実績からみたら誰もが勝てると思っていたのに、、。
やはり教授選というのは政治家(色々根回しができるDr.の隠語)でなければダメだと言ってるのを聞いた。
よくわからないうちの大学出身の別のOBのF先生という人がなったらしい。なんでもI先生の更に先輩だったとのことだった。
I先生が教授選に敗れたことで自分はサッサと院生になる事に興味を失った。そんなわけでどうするかなぁ、、、と悩んでるうちに専攻生の出願締め切りが近づいた
うーん、専攻生かぁ
専攻生は学費を払い専門医をとったり認定医をとったりできるシステム
しかし学費かかる
週何日か大学に行かなくてはならない
もちろん束縛を嫌う自分は週3日くらいならいいかなと思っていたけどどうやら結構行かなくてはならないらしい、いろんな科の医局の情報を聞いたが殆ど週4か5じゃないとダメ!
と、おいおいそんなに大学いたら稼げないじゃないか、、、
タダでさえ安い研修医の給与なのに、、
というわけで自分は進路を決めきれずにやがて研修医を終えた、、、
進路を決めていないのは自分だけだった
今思うとスゲー度胸だな、、、と思ったけど
その時自分は「副業」をしててそっちで稼ごうと思っていたからあまり歯科医一本でやる気はなかったというのが本音
I先生が教授になってたら恐らく母校の歯科麻酔で教授あたり目指していたのだろう、、、
今思うと1つ目の分岐点だったなぁ
続く